中村一八の知心コラム


報告のたびに、優先順位を確認せよ

仕事が複数重なったとき

報告のたびに、優先順位を確認せよイラスト

仕事はひとつとは限らず、いくつか複数の仕事を同時にこなさなければならないこともあります。仕事ができるようになると、どんどん仕事を任せられるようになります。

たとえば、上司から指示された仕事が3つ(A、B、Cという仕事)あったとします。いずれも今週中に仕上げなさいとの指示がでています。
ここで重要になるのは、仕事の優先順位です。優先順位を考えるとき、緊急度と重要度を分けて考えよとよくいわれます。

しかし、知識経験が浅い者にとって、優先順位のつけ方は案外むずかしいものです。
今すぐしなければいけない仕事が複数重なったとき、うまく優先順位をつけられない人は、頭がこんがらがってパニックに陥ります。

若手だけでなくベテランであっても、次から次へと仕事が舞い込んでくると、「どの仕事から先に取りかかるべきか」がわからなくなるときがあります。

では、どうすればいいか。それは、上司に素直に尋ねればいいのです。
報告のたびに「A→B→Cという順序で仕事を進めようと思いますが、よろしいでしょうか」と上司に確認すればいいのです。報告のたびに、というのがミソです。


上司の優先順位と一致させる

優先順位のつけ方に上司と相違があると、効率的に仕事を進められないだけでなく、自分に対する上司の評価が変わります。「あいつはダメだ」と評価が下がる多くの理由は、上司の優先順位と自分が思う優先順位にズレが生じているときです。

たとえば、上司の優先順位が仮にA→B→Cの順番だとします。なかでも緊急かつ重要な案件はAとみなしているのです。そうであるなら、まずはAから片付けるべきです。

ところが、今週中に仕上げれば問題ないだろうと、C→B→Aと自分のやりやすい順番で取りかかったとします。しばらくすると、上司から「Aの仕事は終わったかね?」と尋ねられます。当然「まだです」という返答になります。またしばらく経ってから、再度上司から尋ねられます。「Aの仕事は終わったかね?」と。答えは同じです。次第に「なんで、いまこんなことをやってるんだ」と、上司はいらだちを覚えます。

上司から指示を受けた仕事の"なすべき順序"をはきちがえると、たとえ一生懸命がんばっていても、評価されないばかりか、報告のたびに上司を落胆させてしまう結果になるのです。

アルバイトから社長になったAさん

自分の推測で優先順位づけを行わないことです。自分の優先順位が上司の"やってほしい順番"であるとは限りません。あくまで上司の優先順位で事を進めることです。一週間単位、一日単位で、一時間単位で自分なりの仕事の段取りを計画をしていても、急に仕事を頼まれることもあります。

そんなときは、「いま○○という仕事を抱えていますが、先にこちらの方を優先させた方がよろしいでしょうか」と、何から着手すべきかという仕事の優先順位を上司に確認することが大切です。上司と仕事の優先順位を共有することがいかに重要であるかは、仕事のできる人ほど心得ています。

私の知人に、アルバイトから入って、東証一部上場企業の社長に登り詰めたAさんがいます。

彼は毎朝、今日の仕事の優先順位を上司に確認してから仕事に取りかかることはもちろんのこと、ある特定の仕事に取りかかっているときでさえ、進捗状況を報告する際、こまめに優先順位を確認していたそうです。状況も刻々とめまぐるしく変化する現代社会では、経営陣の朝令暮改でまさしく数時間経てば、優先順位が逆転することも珍しくないからです。

このように仕事の優先順位の確認を常に怠らない部下に対して、上司は厚い信頼を寄せていきます。上司から評価される人物になるかどうかは、成果うんぬん以前の問題として、上司の優先順位を自分の優先順位と不一致させないことができるかにかかっているのです。

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