中村一八の知心コラム


教え上手より、教わり上手になろう

なぜ、Aさんは仕事が早いのか

ニューエアには、Aさんというきわめて優秀な女性がいます。何かと頼りにし、私が心から信頼を寄せている部下のひとりです。社内からも「彼女に任せておけば安心だね」と一目も二目も置かれています。

たとえば、いつまでにとクライアント(顧客企業)に提出する企画書の作成を依頼すると、驚くほどのスピードで完成させてくれます。「あれ…?もうできちゃったの?」といつも私を感動させてくれるのです。

相手の期待を越えるイラスト

今週中にといえば3日で、本日中にといえば午前中に、直接自分に関係のない仕事でも、驚異的な早さでこなすだけでなく、質の高い仕事を次々と生み出していきます。そのスピードは圧巻で、舌を巻くほどです。

それにしても、なぜそんなに早く仕事をやってのけるのでしょうか。あるとき不思議に思って、Aさんの仕事ぶりをあらためてじっくり観察してみることにしました。すると、ある2つのことに気づいたのです。

ひとつは、"照準"の合わせ方です。明日の17時までにといわれたら、明日の17時に照準を合わせる人と、一秒でも早くという意識のもと自分なりの目標を立てて「明日の17時ではなく、本日の14時に仕上げてしまおう」と思う人では、当然ですが仕事の成果に大きな差が生じてきます。
あきらかにAさんは、後者でした。いつも私が指示した納期よりも早く仕上げることを意識しています。

もうひとつは、「着手の早さ」でした。着手とは、指示を受けた後の仕事に取りかかる早さです。
指示すると、躊躇(ちゅうちょ)することなく、Aさんはすぐに取りかかるのです。
当然のことながら、たとえ仕事をこなす処理能力が同じであっても、依頼した直後にすぐに取りかかる人と、なかなか取りかからない人では、仕上がりの早さが違ってきます。

やるしかないという覚悟

彼女の仕事量は毎日相当なものです。しかし、どんなに忙しくても、仕事を依頼すると「はい」と二つ返事で快く引き受けてくれるのです。どんな困難な仕事でも、彼女は決して「イヤだ」とか「できない」と口にしません。

Aさんとは長い付き合いsですが、たったの一度も「えぇ…」とか「ちょっと忙しいんですけど」とイヤな表情を見せたことがありません。もちろん上司である私だけでなく、同僚や後輩、他部門の仕事も、雑事など人の嫌がることも積極的に引き受けてくれます。

「できる・できない」という判断基準は限りなく少なく、自分が「やるしかない」という自負心や責任感が非常に強いのです。そこにはプロフェッショナルとしての自負を感じます。

「できなかったとき、誰かに助けてもらう」という依存や甘えの気持ちは微塵もありません。現状に満足しないAさんの仕事ぶりに感服させられることもしばしばです。「やるしかない」という覚悟が自分を磨き上げ、Aさん自身を日々成長させているのでしょう。

だれかに必要とされる人になる

仕事を依頼する立場からすると、すぐにやってくれる人に対して感謝も深まりますし、信頼も寄せていきます。 人に必要とされ、感謝され、認められるようになるには、"依頼者"の期待を上回ろうと強く意識し、実際により早く、より高い成果を出すことです。

常に相手の期待を超えた仕事をしていると、支援や協力してくれる仲間がひとりまたひとりと増えてきます。こうした日々の積み重ねが周囲から絶大な信頼を集め、後々自分の力となり、さらに責任の大きな仕事が任されるようになるのです。


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