ニューエアの定義する「問題」とは、企業トップが悩んでいること、困っていること、何とかしなくてはならないこと、すべきことはわかっているけど、方法論がわからない事案などのことを指します。
これらを構造的に考えるなら、「問題」とはあるべき姿と現状との間にギャップが存在するということです。
たとえば、あるべき姿としては、工場内での整理・整頓がきちんとなされている状態が望ましいのに、現状では、部品や工具が山積みになっていたり、きちんと分類されていなかったりで、必要なものが迅速に取り出せない状態になっている、そのギャップが存在するということが「問題」なのです。
そのギャップを埋めることが問題解決であり、「どうすればギャップを埋めることができるのか」と解決策を練ることが私たちコンサルタントの仕事となるわけです。それには、まずギャップを正しく認識することです。病気にたとえると、わかりやすいでしょう。病気もまた「問題」であり、健康時(あるべき姿)と健康でない時(現状)のギャップなのです。
寒気がするとか、セキがでるとか、ノドが痛いとか、鼻水がでるとか、お腹を壊しているとか、いつも(健康時)と何が違うのか(症状=ギャップ)を正しく認識することが、正しい治療が受けられる前提になるのです。次に、ギャップを取り巻く環境やギャップが発生した原因などを分析します。
インフルエンザが流行っていて職場でうつされたとか、布団を蹴飛ばして寝冷えしてしまったとか、なぜそのギャップ(体調がすぐれない症状)が発生したのかを調べ、聴診器をあてたり、熱を測ったり、血液検査などをしたりして、原因は何かを分析するのです。病気の正体、すなわち「問題」の本質がわかれば、治療法も間違えにくいというものです。
この過程を問題分析のプロセスと呼びますが、コンサルティングの実務では、問題を解決するにあたり、重要度や緊急度に分類したり、ハードやソフト、ヒト・モノ・カネなどのように整理したりして、問題を構造化できる力が求められることが多いのです。問題を構造化できれば、半分は問題を解決したのも同然だからです。そして問題とその要因(原因)との関係をかんがみながら、私たちコンサルタントは「どうすれば治るのか」という解決案を立案し、処方箋を書いてあげるのです。