組織が抱える難題はいつも山積し、複雑にからみあっています。一見するとそのいずれもが、すぐにでも解決しなければならないようにも思えます。しかし、それらの問題を手当たり次第につぶしていくことよりも、どれが重要で、どれが緊急の問題かをまず見極めることが先決です。
つまり、優先順位をはっきりさせるということです。多くの問題の中から、緊急かつ重要な問題だけを丹念に抽出していくことが求められるのです。
たとえば、「モノが売れない」が緊急かつ重要な問題に該当したとします。ここで重要なのは、その問題の本質一点に絞り込んでいくということです。「モノが売れない」という表層的な現象にとらわれるのではなく、「なぜ売れないのか」の問題の原因を突き止めることが大切です。得意先を直接訪問し、「値段が高いから」「品質が悪いから」ということが判明してくれば、さらに「なぜ、値段が高いのか」「なぜ、品質が悪いのか」と「なぜ?」を掘り下げていきます。「なぜ?」を追求すれば、「製造工程に"ムダ"があるから値段が高くなる」「製造工程に"ムラ"があるから品質が悪くなる」など、どんどん問題の核心に迫ることができます。
このように問題の本質をとらえるには、「なぜ?」「なぜ?」「なぜ?」と幼児のように何度も繰り返し、「なぜ?」が尽きるまで問い続けることが大切です。どこが急所なのかを嗅ぎ分ければ、打つべき手がハッキリと見えてくるはずです。