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トップインタビュー【一問一答】人の育て方


-----どんなふうに社員を育てていくのでしょうか?


「一流を目指す」前に「一人前になる」ことです。プロの世界で一人前になるまでには、3つのハードルを乗り越える必要があります。まず「商いの心得」を身につけること。心から頭を下げられるようになってはじめて一人前といえます。これが最初の関門です。

トップインタビュー【一問一答】中村一八

商売というものは、汗をかくのが当たり前。その勤勉な商人を指導する立場のものが汗をかかずして何をか言わんやです。私たちは、教えるというより、顧客に教えられています。ありがたいことです。心から感謝の気持があれば、自然と頭が下がります。この「商いの心得」を体得することが何より重要となるわけです。


-----2つ目のハードルは?


第2は「自立心」を養うことです。会社が個人に、個人が会社に、上司が部下に、部下が上司に「もたれず」「依りすがる」ことなく、それぞれ自立の構図をニューエアは求めます。自立への挑戦です。人づくりで重要になるのは、自立できる人間を育てることです。


-----自立できる人間とは?


自分の頭で考え、創意工夫し、答えを見つけて行動できる人のことです。自立しないと、クライアントへの発言力は弱まります。独り立ちできない人が、困っている人たちにコンサルタントとして、救いの手を差し伸べることは難しいでしょう。


-----若い人に自立心を芽生えさせるには?


まず、やらせてみる。即戦力としての自立を促すため、若手にも思い切ってチャンスを与えます。確かにベテランがやった方がスムーズだし、うまくいく確率が断然高いのは当然です。しかし、たとえ入社間もない新人だとしても、その人の能力が十分でなかったとしても「まず、やらせてみる」は本人の成長につながります。考えているだけではダメで、実行に移し、実践で覚えなければ役に立たないという考え方が根底にあるんです。


-----まさしく、自立の気概ですね。


社員にはプロ意識を強く求めます。職人の世界では「ワザは盗んで覚えろ」と教えられますが、これこそプロの本質といえます。コンサルティングレベルを上げるには自分の目で技を盗む、自分で学ぶしかありません。ニューエアという会社は、本人が自ら考えるのを手助けするだけ。結局のところ、コンサルタントの腕を磨くには自分自身で学んで、さまざまな手法を身につけるしかないのです。


-----そのための指導法は?


教えすぎないことです。自ら気づかせるのがミソ。かつて壁にぶつかったり、失敗した私の苦い経験をもとに「こうすればうまくいく」というヒントを与えています。解決方法まで、手取り足取り1から10まで教えては、自分の頭で考えなくなってしまいます。教えすぎると、自分で考えることができなくなってしまいます。


その場で「なんだ、わかった」と思っても、自分で考える力をもたない人は、状況がかわれば、またすぐに「わからない」になってしまう。マニュアルに書いてあることは、きちんとモレなく行動するけれど、そのマニュアルが本当に正しいのかどうかまでは考えない。これでは「考える」力は養われないんです。私は「教えすぎない」が最善の指導法だと思っています。


-----考える力は大切ですね。


コンサルタントとして腕を磨くということは、コンサルティングの知識を集めることではありません。知識偏重のコンサルティングアプローチではダメなんです。経営は単純ではありません。コンサルティングの知識を得る、経験を積むということは、実は考える部分を「省略」していることになるのです。ところが、その「省略」しているところにおそらく盲点があるんですね。


-----盲点?


そう。コンサルティング業界経験者特有の陥りやすい盲点です。その盲点を見つけるためにも、頭をからっぽにする、フィルターを通さない、先入観をもたない、ということを常に意識することが大切なんです。


-----「一人前になる」ための3つ目のハードルは?


乗り越えなければならない最後のハードルが「知恵をだす」癖を身につけることです。この段階をクリアしてはじめて、コンサルティングのプロとして一人前と呼べるのです。ハードルをより高く段階的に設定しているのは、現状に満足しないでほしいとの願いからです。


-----どうすれば知恵がでますか?


解決が不可能と思えるような、極めて難しそうなテーマであったとしても、ムリだとか、できないとか思考回路を途中でストップさせないで、解決のための方法は何か手が必ずあるんじゃないかと、しぶとく考え続けることが大切です。 そうすると、自然とアイデアが浮かんでくるから不思議です。


トップインタビュー【一問一答】中村一八

知恵をだすには「頭のやわらかさ」が不可欠。でも、これは、年齢に関係ないのです。偏見や思い込みは「頭の柔らかさ」を失わせます。コンサルタントは、いつも頭を柔軟にしておくこと。クライアントから相談を受け、最適解を出すには柔軟な頭脳がどうしても必要です。滑らかで柔軟な思考をすることを私はいつも意識しています。


-----これらが日々研鑽を惜しまない社風につながるのですね。


よりいいものをつくっていこうという姿勢がニューエアにはあります。がんばって志や目標に挑戦しようとする人を応援し、「一緒にがんばっていこう!」と手を差し伸べる企業風土です。ゼロから何かを創造する人、ユニークな考え方を持つ人、失敗しても、成功するまであきらめない人… 。そんな個性豊かな仲間を心から応援したいし、ベテランが若手の見習いを鍛えるような社風を大切にしていきたいと思っています。

 

-----若い人が多いのもニューエアの特徴ですね。


若い人が育っていくのを見ると、すごく幸せな気分になりますね。若手にどんどんチャンスを与えること。未来は若い人たちがつくるんです。


-----ニューエアは、賢い人たちの頭脳集団なのでしょうか?


いいえ、違います。私はニューエアを単なる賢いだけの頭脳集団にしたくはありません。賢さも時には必要ですが、それ以上に心豊かな人の集まりを目指しています。教養が高い、感性豊かな知的集団です。対人関係において、他人のことを思いやり、自己中心的な考え方しかできない人は、どんなに頭の良い人であっても、やがては自分を滅ぼしてしまいます。ニューエアは専門を学び、心を磨く場でもあります。いまニューエアで働く人たちはひとりの人間として心から尊敬に値する人たちばかりです。


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