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いままでの日本の経営者の多くは、何でもかんでも自前でしないと気が済まないという意識が根強かったのは事実です。しかし、最近の優れたリーダーたちは、外部に知恵を求めることに躊躇(ちゅうちょ)しません。事実、経営の立て直しのために、外部の人材を積極起用する企業が多くなっています。これは、コンサルティングという概念が着実に市民権を得はじめてきたからです。
自分に専門的知識がないなら、ふさわしい人に来てもらって任せること。何でもかんでも自分たちでやらねばと思う気持ちが、組織に無理やひずみを生じさせるのです。思いきって手を放し、任せることも覚えなければならない。とくに外部機能としては、得か損かではなく、正しいか正しくないかを迅速に判断できる能力が求められています。社長は孤独な存在。腹を割ってホンネで相談できる相手は少ないといえます。全面的に味方になってあげられる人がいたらどんなに心強いか。それゆえ、コンサルタントが果たす役割は一段と大きくなっているのです。
顧客がコンサルタントに求めるのは、価値ある提案と信頼です。自らの専門分野において、プロはアマとは比較にならないほど高度な知識と判断力が求められます。しかし、知識を集めることと、知恵を出すことは、まったく別次元です。コンサルタントの入門レベルまでは、基礎知識をもっている方が断然有利です。
しかし、知識だけで勝負しようと思ったら、結局は自分の得意な領域に誘導するしかないんです。相手が何をいっても、自分の強い領域に強引に導いてくる。でも、これでは本当の意味で、クライアントファースト(お客さま第一主義)になるのかはなはだ疑問です。
真のクライアントファーストとは何かを追求した結果、私は各方面の専門家と協力を深める必要性を感じ、効果的に機能する強力なネットワークを組織化したのです。いまでは、このネットワークが私たちの貴重な財産となっています。
これこそ、コンサルタントにとって常に真っ正面から向き合わなければならないテーマです。コンサルティングを依頼するお客さまの立場とコンサルティングを引き受けるニューエアの立場はともすれば相反することが多いのです。そのことに気がついて、いかにお客さまの立場に立って考えるかが、実はなかなか大変なことなのです。気がつくと、いつの間にか私たちの都合でやってしまっているというのは案外多いものです。
お客さま第一主義とは口ではいえても、実際にはつい忙しさにかまけたり、お客さまのことより自分の都合を優先してしまいがちですから、常にクライアントファーストを意識し続けることが大切なんです。
経営者に勇気と自信を与え、本当に喜ばれるコンサルティングサービスを提供したいと思っています。かといって、流行の経営手法やパッケージを売ることはしたくないのです。経営の問題で意見を求められる相談相手であるとともに、クライアントと夢や生き方を語り合えるような関係でいられることが理想ですね。
クライアント(顧客)との信頼関係をじっくり育てることです。信頼を築くには3年かかりますが、失墜には3秒あれば十分です。コンサルティングは、息のあった長期的な信頼関係で結ばれなければうまくいかない。でも、信頼を獲得するのに「焦り」は禁物です。お客さまの最大の関心は、一緒に仕事をしたいと思える相手かどうか、信頼にたる人物かどうか。また会いたいと思っていただけるか。もし、自分が顧客だとしたら、弊社に本当にコンサルティングを依頼するのか?大事なことは、相手の立場に立ってみることです。
製造業であれば、ついつい作り手の立場で考えてしまい、使い手の立場を忘れてしまいます。売り手ではなく、買い手の視点こそもっとも重要です。先程の質問に対するこたえがすべて「イエス」でなければ、顧客に対して失礼ですし、そもそもその仕事を引き受けるべきではないと思っています。見え透いた演技など、幾度も荒波を残り超えてきた経営者たちには、瞬時に見抜かれてしまいます。
3つあります。ひとつは、お客さまに対して心から興味をもつ、心から関心を抱くということですね。人そのものに興味関心がなければコンサルタントは勤まりませんから…。名医と呼ばれる医師たちは、患者さんの症状をよく聞いて、本人に最適な治療法を丁寧に説明してくれます。自分の意見を主張することよりも、お客さまに対して、しっかり耳を傾け、どうすれば会社が良くなるのかを考え行動することが大切です。もうひとつは、表面的な事象に惑わされず、本質を見極めることです。最後は、時流をしっかりつかむということですね。時代から「ズレ」ては何をやったってうまくいかないので…。
電車の中吊り広告を眺めることをお勧めします。これは、とてもいい勉強になりますので、私は毎日実践しています(笑)。