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平均すると睡眠時間は3〜4時間くらいでしょうか。毎日午前3時30分に起きて、6時に会社に出社します。深夜まで仕事をすることも多いので、会社にもちゃんと寝袋を用意しています(笑)。でも、車や電車の移動中なんかはガァーッと熟睡しています(笑)。特技はどこでも瞬間的に眠れることです。毎日16時間は働いていると思います。
プロの世界では当たり前だと思うんです。コンサルタントは、企業の命を預かる仕事ですから、目の色変えて、猛烈に勉強して、命がけで仕事をしなければならないのです。毎日が真剣勝負なんです。プロ野球選手だって、料理人だって、基礎トレーニングや研究時間も含めれば、これくらい誰でもやっているはずです。
しかも、トッププロになればなるほど、鍛錬や準備の時間は長くなります。夜が更けるのも忘れて、黙々と素振りをしたりしますよね。トッププロはみな、人の見えないところで血のにじむような努力をしているわけですから‥。
一心不乱の努力がずっと続けられるかで決まります。毎日の努力を怠れば、たとえトッププロでも1年や2年で通用しなくなるはずです。トッププロは何が違うかといえば、努力の量がすごい。並のプロとは"意志力"が違うんです。努力すること、継続することの大切さをほんとうに知っている人です。
しかも、トッププロには無駄な動きをしないという共通点があります。スポーツの世界でいえば一流の選手になればなるほど、動きが洗練され、美しく見えるのはこうした理由です。
努力の方向性さえ誤らなければ、凡人でも努力次第で素晴らしい成果を出すことは可能です。しかし、努力の方向性を見誤ると、どんなに懸命に努力しても、成果は生まれません。
具体的には、いかに人ができないものをやるかです。いかに人が話せないことを話すか。いかに人が書けないものを書くか。それを付加価値と呼ぶのです。いま力がなくても、目指すべきは、そこんところじゃないと、その他大勢に埋もれてしまいます。単にいま給料が高いからとか、会社の知名度が高くてカッコいいからとか、で仕事を選んでしまうと、後になって必ず後悔してしまいます。
そうすると、その人しかできないことになり、この仕事はあの人じゃなきゃできないね、このプロジェクトには、あいつが必要だ、ということになるのです。このことがわかっている人とわかってない人では、将来雲泥の差ができるんです。
だれでもカンタンにできる仕事は、その人じゃなくても、誰かにとって代わる仕事が多いんです。人がなかなかできない仕事というのは、習得するのにかなりの時間がかかります。だからいいのです。人が嫌がる仕事って何だろう?難しいとされる仕事って何だろう?そんなことを考えるうちにヒントが生まれてきます。
プロとは「毎日改善」できる人です。現状に満足せず、常に目標を高く、改良を心がけるこだわりの美学が必要です。雨の日も風の日も、一瞬たりとも休んではいけない。努力をひけらかすこともない。これは、今も昔も変わらないはずです。市場から常に厳しい評価を受けるのがプロ。プロならば他人の批判を甘受する覚悟を持つことも大切です。にもかかわらず、コンサルタントは言い訳が多すぎるような気がします。
相手に一笑されたり、話が通じなかったりすると、プライドを傷つけられるのかすぐ「あのダメ経営者は、わかっちゃいない」とか「あの程度の社長のレベルでは理解できないよ」など御託を並べるコンサルタントがいます。
加えて、いくら良い解決策を提案しても、ちっとも受け入れてはもらえないと憤慨する人もいます。しかし、これらはコンサルタントとしての自分の指導力のなさを棚に上げているだけなんです。ビジネスである以上、まず「顧客ありき」です。わからない相手が悪いのではなく、わからせることのできない自分が悪いと考えるべきなのです。
世の中、正しいことが必ずしも聞いてもらえるとは限らない。正しい提案が却下されることもあります。この問題を放置すれば、どれほどやっかいな事態に発展する恐れがあるのかを懸命に説いても、諫言(かんげん)がいつも受け入れてもらえるとは限らないのです。
経営陣は結果責任を負わなくてはいけないからです。論理的な正しさだけでは人を動かせないということを理解しなくてはなりません。でも、コンサルティングのプロは言い訳などしてはいけないんです。
ボクシングでも、相撲でも、格闘家たちは、負ければ、言い訳のできない世界に身を置いています。腰が痛いとか、風邪気味だったとか絶対言い訳しませんよね。うまくいかないのは、すべて自分の責任だと認識しているからです。コンサルタントも言い訳は絶対許されない。私たちは言い訳の見苦しさを肝に銘じるべきですね。