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トップインタビュー【一問一答】企業改革


-----会社の立て直しや経営指導に奔走され、多忙を極めていらっしゃいますね。


好むと好まざるとにかかわらず、最近とくに企業改革について相談を受けることが多く、そうしたプロジェクトのまとめ役・助言役として担ぎ出されています。いずれも、経営陣の強烈な危機感が大胆な改革に踏み切るバネになっていることだけは確かです。

トップインタビュー【一問一答】中村一八

-----さて、改革に取り組む際に注意すべきことは?


自社を繁栄に導くには、経営者の強いリーダーシップが必要です。裏をかえせば、強力なリーダーシップなしでは、改革は難しい。そのためには、経営者自身が強い意志をもって取り組むことです。本当の改革とは、踏み込まなければならない。荒波に乗り出す覚悟です。目先のことだけに目を奪われた小手先の改革を続けていては、会社は何ら変わらず、いっこうに良くなりません。それだけに経営者の果たすべき役割は大きく、経営者がリーダーシップを発揮しなければ本当の変革は起こりにくいのです。


-----リーダーシップとは?


リーダーシップとは覚悟を示すことです。決断できる人だけがリーダーとなる資格があるのです。周囲の顔色ばかりうかがっていると、決断にためらいが生じます。決断をためらうと企業は立ち往生してしまう。ですから、改革にためらいは禁物なんです。


たとえ反対勢力の抵抗が大きくても、たとえ批判や非難を受けても、摩擦を恐れたり、ひるむようであってはならない。経営者は公平であるべきですが、社内意見の調整役であってはいけません。揺るがない決意と毅然(きぜん)とした態度。どんなことがあっても改革を確実に実現する粘り強い実行力が求められます。そのためには、経営者は、一時的な不人気も堪え忍ばなければならない。その覚悟がないと、抜本的改革という大目標は達成できませんね。


-----集約すると、経営者の本気度が決め手になると…。


そうですね。経営者が遅疑逡巡(ちぎしゅんじゅん)であってはならない。経営者が覚悟を決め決断しないと、打開の糸口を見いだせませんから。企業体力のあるうちに、思いきった改革を進めないと、間に合わないことだってあるんです。重視すべきはスピード。ただし、一度決めたからにはと硬直的に考えず、間違いに気付いたらすぐに改める柔軟性も持ち合わせてほしいものです。


-----決断には正しさが問われますね。


そのためには、社内の意見を聞く耳を持つこと。経営者自身が自分の足で歩き回って、現場で額に汗する人たちの話をよく聞かなければなりません。もちろん、改革に反対する人の気持ちも十分に理解する必要があります。


-----反対者は、改革に無関心な社員でしょうか?


いいえ。よりよい会社づくりに社員が無関心なはずがありません。無関心というより、人は何かにつけ変化を好まない傾向にあるといった方が正しい表現でしょう。まったく新しい考えを導入しようとすると、人は拒否反応を示します。批判の声もあがるし、根強い反対者や冷淡な反応を見せる者もいます。従来の伝統的な考えにとらわれている場合が少なくないからです。変化を受け入れるには、自分が自分を変えるための努力が必要になります。誰だって変わらない方がラクチンですから。たとえ、それが適材適所の人事配置であったとしても、本人には相当な負担が課せられます。変化とは常に"現状否定""過去否定"の連続で、社員を不安にさせるものです。


-----確かに他人を変えたいという気持はあっても、自分が変わるには抵抗がありますね。


けれど、その一方で新しい環境に身を置くことで、人は成長できるのも事実です。経営者の役割は変化を能動的にとらえ、方向を明確に示し、組織をよりよい方向へ導くことです。たとえ、社員が嫌がることでも、粘り強く取り組み続ける姿勢が大切です。「なぜ、これほど大変な思いをしてまでやるのか」「何を変え、何を残すか」。会社の実情や経営トップの真情を吐露(とろ)する一方で、改革の必要性や意思を真っ正面から粘り強く訴え続け、全社員に明確なメッセージを送ってほしい。メッセージを伝えたからといって改革が容易に進むとは限らないのですが、社員に説明することの重要さを経営者は認識する必要があります。


-----変えるべきものは何か、変えてはいけないものは何か。この選別が一番難しいと思うのですが…。


伝統か。革新か。変えるべきものと変えてはいけないものを見極めるのも経営者の力です。変えるべきものを変えるには勇気がいる。変えてはならぬものを受け入れるには心の余裕が必要です。古くてもいいものなら残せばいい。企業にとって最も大切なのは、進化を持続させる力です。代々受け継がれてきた良き伝統を守り、事業や製品に込められた思いをくみ取り、そのうえで経営者は常に新しいことに挑戦し、自社を進化させ続けなければならない。


-----革新のためには、具体的に何から着手すべきですか?


まず着地点を決めること。会社がどこに向かっているのかがあいまいでは困ります。目指すべき目標は明確でなければなりません。大局的な視点で、明るい見通しを描くことが何より重要です。会社の将来の姿を明確に打ち出し、全社員に提示すること。現状がどんなに辛くて苦しくても、将来への明るい希望を見いだせる可能性があれば人はがんばれるものです。


-----将来の"明るさ"は重要ですね。


暗くては誰もついてこないですからね(笑)。明るい見通しこそ最も肝要です。現在のポジションを把握し、5年後、10年後どんな企業になっていたいかを思い描き、そのための必要な要件を書きだして、その溝を埋める方法を考えます。これが戦略というものです。改革とは、何をどう実現したいのか経営者自身が明確なイメージを持つことからはじまります。着地点を定めると、自分を含めて社員の行動が変わりますから…。


トップインタビュー【一問一答】中村一八

-----これは、なぜでしょうか?


人間というものは、目標(着地点)を設定すると、それに向かって努力するという不思議な習性をもっています。まず、着地点を社内で共有すること。そして着地点までの"道しるべ"を示すことです。経営には着地点と戦略が必要です。経営者は社員とそれらを共有しながら改革を進めることが重要になりますね。


-----これは、大企業でも中小企業でも同じでしょうか?


基本的に企業規模は関係ないですね。企業は経営者でほぼ100%決まるといっても過言ではない。"大将"たるもの、毎日経営革新に取り組む責任があります。


-----絶えざる経営革新ですね。


そうです。日々少しずつ進化させる地道な"改善"活動も重要です。厳しい言い方になりますが、革新できぬ経営者は即刻引退して、次の世代にバトンを渡すべきです。革新のための努力は永遠に続きます。常に挑戦への意欲をもち、前向きな経営努力を怠らないことが大切です。


-----となると、思いきった改革が進まない本当の原因は… 。


改革が成功するしないの差は、経営者の向いている方向と姿勢なのです。つまり意気込みや考え方によるところが大きいんですね。実現までには多くの衝突や問題が起こります。しかし「できない」と言い訳ばかりするのは、自分の能力の限界を認めているようなもの。「できない」のではなく、本当は「やらない」だけなんです。そういう経営者は困難に立ち向かう情熱と挑戦する勇気が欠落しています。経営者の本当の仕事とは、過去を分析することではなく、未来を創ること、ビジョンを掲げ、方針をきちんと打ち立てることなんです。


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