コンサルティングに必要なのは、自分の言葉より相手の言葉
他人を理解すること。そこにコンサルタントという仕事の深みと難しさがあります。他人を理解するには、まず人の話を聞く、じっと耳を傾けるという姿勢が重要です。ところが、これが簡単そうにみえて意外と難しいのです。 優れたコンサルタントは、他人の考えや思いを引き出すのがとても上手な人です。クライアントを深く理解できるかどうかは、理解力というより実は「聞く」力が抜きんでているかどうかの差だといえます。
書く、話す、聞くの3点セットが出来ていなければコンサルタントは勤まりませんが、なかでも特に「聞く」力をニューエアでは最も重要な力として位置づけています。そのため、私たちは対話をとても大事にしています。コンサルタントには話のうまい人はたくさんいますが、本当の聞き上手は非常に少ないといえます。困ったことに、自分の力を過信しているコンサルタントほど、人の話を聞かないものです。
そういう人は、知識経験からすぐに答えを導き出そうとしがちです。自分の方が良く知っていると思った瞬間に、他人の話は耳に入らなくなってしまいます。これはとても危険なことでしょう。聞くことを怠ると、正確な情報が入ってこなくなるからです。情報を正しくつかまなければ、どんなに優れた人だって、コンサルタントとして質の高い仕事などできないということです。
心の底からうれしそうに耳を傾ける。相手が伝えようとしている内容を懸命に理解しようとする。そうすれば、きっとお客さまも心を開いてお話してくれるでしょう。自分の話を真剣に聞いてくれる人に人は話をしたくなるものです。百の説法よりも、相手の話を集中して聞いてあげる。それだけでも、相手は救われることもあるのです。