どんな組織であっても、いつも問題は山積しています。ところが、その問題の芽の多くはいつも現場にあるものです。事実は現場にあり。現場における事実をつぶさに見ないと、何がどう問題となっているのかわからないからです。問題解決へのアプローチは、ファクトファインディング(事実の発見)、すなわち事実を収集することからはじまります。優秀な刑事が何度も何度も現場に足を運び、犯行現場の状況を鋭く観察することで、事件を解決する"現場百回"のごとく、事実を観察し、事実を吟味することが大切なのです。いかにIT(情報技術)が発達しようとも、現場でしか得られない情報があったり、現場に行ってはじめて解決の糸口が見えてくることも多いのです。
現場でいったい何が起きているのか、顧客は本当は何を望んでいるのか。問題の所在を突き止めるには、さまざまな現場を訪ね、そこで働く社員と言葉を交わすことからはじめます。私たちは必ず協力工場や倉庫、営業所、売り場などに足を運び、精力的に現場を見て回ります。合間を縫って、昼食時などには食堂で現場の人たちとフランクな会話も心掛けます。経営者から新入社員まで、またその大口顧客や販売協力店の関係者にいたるまで多くの人に会い、耳を傾け、「事実」を集めることに惜しみなく時間を投入するのです。事実を自らの五感で直接確かめるようにしているのです。ニューエアが徹底した現場主義を貫くのは、何より現場が大切だと考えるからです。
コンサルタントにとって最も重要な姿勢とは何か。それは、事実に敬意を表することです。クライアントの直面する問題と対峙(たいじ)するには、クライアントが置かれている"事実"を正確に把握することが不可欠です。
事実の裏側に潜む「何か」を探り、その本質を突き止めようとする姿勢が求められます。ここで重要なのは、先入観を持たず、事前に解決策を用意せず、頭をからっぽにして事実を直視するということです。思い込みや感情を排除し、問題の本質をあぶり出すのです。ニューエアが事実にこだわる理由は、事実ほど説得力のあるものはなく、事実に対しては誰も異論を唱えることができないからです。